認知症と診断されたら・・・(夜鳴きの対策)

認知症は徐々に進行していく病気で、残念ながらそれを完治させる薬も存在しません。
それでも、進行をなるべく遅らせる治療や、日々の暮らしを快適に送るための工夫など、できることはたくさんあります。
ペットが認知症になったとき、飼い主さんの相談で最も多いのは夜鳴きについてです。
特にマンションやアパートで暮らしている場合、深夜に大声で鳴き始めると飼い主さんも寝られない上に、ご近所にも気を遣い、本当に参ってしまう方が少なくありません。

認知症を発症すると、体内時計のサイクルにも大きな乱れが生じてきます。
明るくなると起きて、夜はぐっすり寝るというリズムがうまく調整できなくなるのです。
このサイクルを正常に保つために、飼い主さんが意図的にリズムを作ってあげることが大切です。
まずは規則正しい散歩を心がけましょう。
朝はいつも起きていた時間にしっかりと日光を浴びること、そして夜は寝かしたい時間の直前の散歩が効果的です。
また、昼間はなるべくこまめに声をかけたり、簡単な遊びに誘ったりして、なるべく起きている時間を確保します。
仮に寝たきりで散歩に行けない場合でも、日中はなるべく陽の光を浴びるように意識しましょう。
メラトニンというサプリメントも、睡眠サイクルの正常化が期待できます。
場合によっては、睡眠薬の使用を検討することもあります。

それでもどうしても夜鳴きがひどくて、飼い主さんが疲れてしまう場合は、動物病院での短期間の預かりも相談して下さい。
当院では、おむつ交換や食餌の補助も含めたデイケア預かりを行っています。
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日々介護を頑張っている飼い主さんが、頑張りすぎて擦り切れてしまわないように。
ほんの少しのゆとりを持って、長生きしてくれたペットとの日々を穏やかに過ごして頂ければと思います。