寝たきりペットの排泄管理

ペットも高齢化の時代、長年をともにしたペットが、寝たきりになってしまう事も珍しくはありません。
自分の力で歩けなくなってしまったペットには、人間と同様に介護が必要になります。

ペットが寝たきりになると、まず突き当たるのが排泄の問題です。
可能であれば体を支えてあげて、自力での排泄を促してあげたいところですが、それすらままならない状況なら、おむつを使う事になります。
ペット用のおむつも、今では各種サイズが揃って選びやすくなっていますし、中型犬以上なら人間用のおむつに手を加えて使用する事もできます。
人間用とペット用の大きな違いは、尻尾を通す穴が空いているかどうかという点ですから、はさみで尻尾の部分をくり抜くか、ウエスト部分から切れ込みを入れる事で尻尾を通す事ができます。
切り口から吸水ポリマーが漏れてきて粉っぽくなるのが気になる場合は、切り口を覆うようにテープを貼付けて対応しましょう。
このように自作すると少し手間はかかりますが、コストは大幅に下げることができます。

おむつを使うようになると、尿やけやおむつかぶれにも注意しなければなりません。
特に尿汚れは皮膚をひどく荒らしてしまうので、おむつ交換のたびに内股(雄犬であれば腹部も)の皮膚をチェックしてあげて下さい。
尿汚れはシンプルに洗い流す事が最善の方法なので、1日に一回はぬるま湯で流してあげましょう。
しっかりとすすぎきる自信がない時は、シャンプーを使う事にはこだわらなくても大丈夫です。
体が大きく、お風呂場までの移動が困難な場合は、ペットシーツを広げて部分洗いをするだけでもいいでしょう。
ドレッシングボトルを用いると、室内でも比較的簡単に洗い流す事ができます。
注意点としては、あまり熱いお湯で洗わない事です。
汚れがひどいと、熱めのお湯ですっきりと洗い流したくなりがちですが、動物の皮膚には37℃位までが適温です。
必ず人肌くらいの温度で流してあげて下さい。
洗い流したあとは、よく乾かしてからワセリンを塗っておくと、尿やけの予防になります。
炎症があまりにひどい場合は、抗炎症剤や抗菌剤の軟膏が必要になる事もありますので、動物病院を受診して下さい。

排泄の問題にうまく対応できれば、介護の半分は成功したと言っても過言ではありません。
ペットにとって快適で、飼い主さんにとっても持続しやすい方法をうまく工夫してみて下さい。