寝たきりペットの床ずれ予防

ペットが寝たきりになってしまった時に、介護生活の中で注意することとして床ずれがあります。 
特に体重がある中型犬〜大型犬は、ほんの数日でも床ずれを起こす事があるので、十分な対策が必要です。

床ずれ(正式には褥瘡といいます)は、体の一部分だけが常に圧迫されている事で、その部分の血行が悪くなり、部分的に壊死(細胞が死んでしまうこと)した状態をさします。
始めは多少赤くなるだけだったり、何となく皮膚が薄く頼りなく見える程度ですが、そのうち皮膚が破れて穴があいたり、ひどくなると骨が露出してくることもあります。
気づかれないまま皮膚の下に膿が溜まるケースも多く、突然皮膚が破れて大量の膿が流れ出て、初めて来院されることも珍しくありません。
体を横にした時に、骨が出っ張っている部分に体重が集中するので、動物では腰の横の部分と、肩のあたりが特に要注意です。
普段は毛で覆われているので、必ず毛をかき分けて皮膚の状態を確認してあげて下さい。

床ずれは、起こってしまう前の予防が何より重要です。
予防のポイントは、体重を点ではなく面で支えること、そして2〜4時間おきの体位変換(寝返り)です。
動物の体は凹凸だらけですから、それに合わせて形が変わる素材をベッドとして使うようにしましょう。
バスタオルであればかなり分厚く重ねないとうまくいきません。
低反発マットやウォーターベッドなどは理想的ですが、若干コストがかかってくるのが難点です。
コスト的にもお勧めできるのは、ビーチマットや、キャンプ用のエアーマットです。
あえて空気を半分くらい抜いてしまうと、体がかなり沈み込むようになるので、うまく体圧が分散されます。
万が一マットの上で粗相した場合も洗い流すのみですので、管理がずいぶん楽になります。
ただし、ビニール素材は湿気を閉じ込めるので、必ずタオルを間に挟んで使用して下さい。
こうしたベッドを用いる事で、体位変換の間隔を多少引き延ばす事ができ、少なくとも夜間は飼い主さんの睡眠時間を十分にとって頂けるようになります。

仮に床ずれができてしまった場合は、まずは動物病院で感染の有無やダメージの程度を確認してもらって下さい。
壊死した部分はどんどんはがれ落ちてくるので、まずはそれを丁寧に取り除く事が必要です。
膿が大量に出ている場合を除いて、消毒は必要ありません。
人肌に温めた水道水や生理食塩水で洗い落とすのが基本になります。
傷口を乾燥させるとなかなか塞がらなくなるので、洗ったあとにドライヤーは使わないようにしましょう。
傷が浅い場合はワセリンをこまめに塗って乾燥を防ぎます。
ポケットといって、皮膚の下に大きな空洞ができている場合や、骨が露出している場合は、家庭での対応範囲を超えているので、動物病院での処置が必要です。
床ずれの治療には時間と根気が必要ですが、諦めることなく自宅でのケアを続けてあげて下さい。

寝たきりペットの床ずれ予防」への2件のフィードバック

  1. 褥瘡予防に人間の病院では、100均のジェルマット使ってるとか…。
    私のいとこ情報ですが。。。
    衛生状態によっては取り替えが容易にできる…って考えるとコスト的にもイイみたいですよ♪( ´▽`)

    • 確かに、コスト的に使いやすいかもですねー。
      あとは、多少ひっかいても破れない強度があれば、大活躍できそう。

コメントは受け付けていません。