認知症と診断されたら・・・(徘徊行動の対策)

長生きペットが認知症になってしまった場合、よく見られる症状のひとつに徘徊行動があります。

・  あてもなく部屋中を歩き回る。

・  円を描くように、決まった方向にぐるぐると歩き続ける。

・  狭い隙間に入り込んで出られなくなる(場合によっては部屋の角、90°程度の角度でも引っかかる)

・  壁に勢いよくぶつかる

 

これらが認知症でよく見られる行動で、目を離したすきに階段から落ちてしまったり、家具のすきまで何時間も動けずにいたりと、飼い主さんもなかなか穏やかな暮らしを送れなくなってしまうことが問題です。残念ながらこういった行動は無理に止めさせることはできませんので、日々の暮らしの中でちょっとした工夫が必要になります。

まず階段の近くや台所など、絶対に近寄ってほしくない場所にはゲートを設けましょう。小型犬ならばちょっとした柵程度で大丈夫ですし、人間がまたげるくらいの高さに抑えておいた方が、生活の動線を妨げずに済みます。大型犬で力のある子の場合は、子供用品店で販売されているベビーゲートなどもお勧めです。

安全に、心ゆくまで歩かせてあげるためには、円形のスペースが適しています。角がなければそこで引っかかってしまうこともありませんので、飼い主さんもある程度安心して目を離すことができます。小型犬であれば、ホームセンター等で購入できる子供用のビニールプールが活用できます。万が一粗相をしても部屋を汚さないこともメリットのひとつです。大型犬の場合は、バスマットを数枚つなげて円形のサークルを作ってあげることで対応できます。強度に不安がある時は金属製のサークルを2つ購入し、連結して8角形のサークルにした上で内側にバスマットを固定すれば、十分な強度とスペースが確保できます。

サークルの設置が難しい場合は、なるべく入り込めそうな隙間を作らないような家具の配置を検討します。部屋の角の部分に対しては、バスマットを緩やかに曲げるように設置する事で、角をなくしてしまいましょう。

ペットを危険から遠ざけてあげることが、飼い主さんの安心感にもつながります。身の回りのものを上手に利用して、お互いにとってより暮らしやすい環境を作ってみて下さい。

 

今年もやります、歯磨きキャンペーン!

6日4日は虫歯の日。
動物たちにとっても、歯の問題は健康に直結します!
3歳の犬の80%以上は歯周病といわれるように、自宅でのケアを全くしない犬猫のほとんどは、口の中に問題を抱えています。

とはいえ、家での日常的な歯磨きはなかなか難しいもの。
当院では、その子の性格や口の中の状態に合わせて、なるべく使いやすい歯磨きグッズを取り揃えています。
動物用歯ブラシはもちろん、歯磨きペースト、指サックのガーゼブラシなどの歯磨き用品。
さらになかなかお口を触らせてくれない子には、フードにかけるだけで歯石の付着を抑制してくれるサプリメント(詳しくはこちら)、歯磨きガム(超小型犬用、シニア用、猫用)など、その子に合わせた商品を選ぶことができます。
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そして今回は歯磨きキャンペーンとして、6月4〜8日のあいだ歯磨きグッズ全商品を20%OFFでご提供します!

すでにお気に入りの歯磨きグッズをお使いの方も、何となく口臭に気づいてはいるものの目をそらしている方も、ぜひこの機会にペットのお口に目を向けてあげて下さい。
そもそも歯磨きなんてやったことない!という飼い主さんには、磨き方のポイントもお伝えします。
ご相談だけでもお気軽にご来院下さい!

201201210400おまけ:

一見歯がないように見えるカエルたちですが、口の中の小さい突起が彼らの歯だそうです。

正確な報告は目にしたことがありませんが、おそらく彼らは歯磨きの必要はないでしょう。

ちょっと羨ましい気もします・・・。

2014年6月2日 | カテゴリー : お知らせ | 投稿者 : よつば院長

水飲み場、開放してます。

ここ数日、北海道が日本で一番暑いという珍しい現象が起こっています。
急な気温の変動で体調を崩しやすいのは、ヒトも動物も同じこと。
特にお散歩に出かけるわんちゃんたちは、突然の猛暑で熱中症のリスクにさらされています。

一般には、気温22℃、湿度60%以上で熱中症のリスクは高まってきます。
また、昼間の直射日光にさらされるとアスファルト上では気温+20℃以上の高温になることも。
人間にとってはある程度我慢できる気温でも、背の低い小型犬や、もともと体温調整の苦手な短頭種(パグ、ブルドック、ペキニーズなど)では耐えられない場合もあります。

気温の高い日は、早朝や日没後の路面温度が低い時間帯に散歩に行くこと、またアスファルトは避けて芝生や土の上で遊ばせることをお勧めします。
そして最重要なのはこまめな水分補給
脱水症状を起こしてからでは遅すぎる場合もあります。
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当院では今年も病院の水飲み場を開放しています。
休診日を除いては、消毒済みの器も用意してありますので、お散歩中の給水ポイントとしてお気軽にご利用下さい!!

認知症と診断されたら・・・(夜鳴きの対策)

認知症は徐々に進行していく病気で、残念ながらそれを完治させる薬も存在しません。
それでも、進行をなるべく遅らせる治療や、日々の暮らしを快適に送るための工夫など、できることはたくさんあります。
ペットが認知症になったとき、飼い主さんの相談で最も多いのは夜鳴きについてです。
特にマンションやアパートで暮らしている場合、深夜に大声で鳴き始めると飼い主さんも寝られない上に、ご近所にも気を遣い、本当に参ってしまう方が少なくありません。

認知症を発症すると、体内時計のサイクルにも大きな乱れが生じてきます。
明るくなると起きて、夜はぐっすり寝るというリズムがうまく調整できなくなるのです。
このサイクルを正常に保つために、飼い主さんが意図的にリズムを作ってあげることが大切です。
まずは規則正しい散歩を心がけましょう。
朝はいつも起きていた時間にしっかりと日光を浴びること、そして夜は寝かしたい時間の直前の散歩が効果的です。
また、昼間はなるべくこまめに声をかけたり、簡単な遊びに誘ったりして、なるべく起きている時間を確保します。
仮に寝たきりで散歩に行けない場合でも、日中はなるべく陽の光を浴びるように意識しましょう。
メラトニンというサプリメントも、睡眠サイクルの正常化が期待できます。
場合によっては、睡眠薬の使用を検討することもあります。

それでもどうしても夜鳴きがひどくて、飼い主さんが疲れてしまう場合は、動物病院での短期間の預かりも相談して下さい。
当院では、おむつ交換や食餌の補助も含めたデイケア預かりを行っています。
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日々介護を頑張っている飼い主さんが、頑張りすぎて擦り切れてしまわないように。
ほんの少しのゆとりを持って、長生きしてくれたペットとの日々を穏やかに過ごして頂ければと思います。

6月パピークラスのご報告

先日のパピークラスの報告です。

今回の参加はラブラドール×ゴールデンレトリバーのアロマちゃん、柴犬の琥珀ちゃんの2頭です♪
アロマちゃんはちょっと慎重派で、始めは飼い主さんの足下に隠れてしまっていましたが、ほんの1時間ほどでみるみる積極的に!
琥珀ちゃんは陽気な性格で、始めから物怖じせずにいろんなものに興味津々でしたが、必要な時に飼い主さんに集中することも覚えてくれました。

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「待て」や「おすわり」も、必ずしも号令に頼らなくても、自然な流れでできるようになります。
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初めての人、物、仔犬友達。
こんな刺激が、成長期の仔犬にはとてもとても大切です。
全てをお伝えするには短い時間ですが、これから仔犬たちの世界をどんどん広げていくためのきっかけになる、楽しいクラスでした♪

 

 

寝たきりペットの排泄管理

ペットも高齢化の時代、長年をともにしたペットが、寝たきりになってしまう事も珍しくはありません。
自分の力で歩けなくなってしまったペットには、人間と同様に介護が必要になります。

ペットが寝たきりになると、まず突き当たるのが排泄の問題です。
可能であれば体を支えてあげて、自力での排泄を促してあげたいところですが、それすらままならない状況なら、おむつを使う事になります。
ペット用のおむつも、今では各種サイズが揃って選びやすくなっていますし、中型犬以上なら人間用のおむつに手を加えて使用する事もできます。
人間用とペット用の大きな違いは、尻尾を通す穴が空いているかどうかという点ですから、はさみで尻尾の部分をくり抜くか、ウエスト部分から切れ込みを入れる事で尻尾を通す事ができます。
切り口から吸水ポリマーが漏れてきて粉っぽくなるのが気になる場合は、切り口を覆うようにテープを貼付けて対応しましょう。
このように自作すると少し手間はかかりますが、コストは大幅に下げることができます。

おむつを使うようになると、尿やけやおむつかぶれにも注意しなければなりません。
特に尿汚れは皮膚をひどく荒らしてしまうので、おむつ交換のたびに内股(雄犬であれば腹部も)の皮膚をチェックしてあげて下さい。
尿汚れはシンプルに洗い流す事が最善の方法なので、1日に一回はぬるま湯で流してあげましょう。
しっかりとすすぎきる自信がない時は、シャンプーを使う事にはこだわらなくても大丈夫です。
体が大きく、お風呂場までの移動が困難な場合は、ペットシーツを広げて部分洗いをするだけでもいいでしょう。
ドレッシングボトルを用いると、室内でも比較的簡単に洗い流す事ができます。
注意点としては、あまり熱いお湯で洗わない事です。
汚れがひどいと、熱めのお湯ですっきりと洗い流したくなりがちですが、動物の皮膚には37℃位までが適温です。
必ず人肌くらいの温度で流してあげて下さい。
洗い流したあとは、よく乾かしてからワセリンを塗っておくと、尿やけの予防になります。
炎症があまりにひどい場合は、抗炎症剤や抗菌剤の軟膏が必要になる事もありますので、動物病院を受診して下さい。

排泄の問題にうまく対応できれば、介護の半分は成功したと言っても過言ではありません。
ペットにとって快適で、飼い主さんにとっても持続しやすい方法をうまく工夫してみて下さい。

寝たきりペットの床ずれ予防

ペットが寝たきりになってしまった時に、介護生活の中で注意することとして床ずれがあります。 
特に体重がある中型犬〜大型犬は、ほんの数日でも床ずれを起こす事があるので、十分な対策が必要です。

床ずれ(正式には褥瘡といいます)は、体の一部分だけが常に圧迫されている事で、その部分の血行が悪くなり、部分的に壊死(細胞が死んでしまうこと)した状態をさします。
始めは多少赤くなるだけだったり、何となく皮膚が薄く頼りなく見える程度ですが、そのうち皮膚が破れて穴があいたり、ひどくなると骨が露出してくることもあります。
気づかれないまま皮膚の下に膿が溜まるケースも多く、突然皮膚が破れて大量の膿が流れ出て、初めて来院されることも珍しくありません。
体を横にした時に、骨が出っ張っている部分に体重が集中するので、動物では腰の横の部分と、肩のあたりが特に要注意です。
普段は毛で覆われているので、必ず毛をかき分けて皮膚の状態を確認してあげて下さい。

床ずれは、起こってしまう前の予防が何より重要です。
予防のポイントは、体重を点ではなく面で支えること、そして2〜4時間おきの体位変換(寝返り)です。
動物の体は凹凸だらけですから、それに合わせて形が変わる素材をベッドとして使うようにしましょう。
バスタオルであればかなり分厚く重ねないとうまくいきません。
低反発マットやウォーターベッドなどは理想的ですが、若干コストがかかってくるのが難点です。
コスト的にもお勧めできるのは、ビーチマットや、キャンプ用のエアーマットです。
あえて空気を半分くらい抜いてしまうと、体がかなり沈み込むようになるので、うまく体圧が分散されます。
万が一マットの上で粗相した場合も洗い流すのみですので、管理がずいぶん楽になります。
ただし、ビニール素材は湿気を閉じ込めるので、必ずタオルを間に挟んで使用して下さい。
こうしたベッドを用いる事で、体位変換の間隔を多少引き延ばす事ができ、少なくとも夜間は飼い主さんの睡眠時間を十分にとって頂けるようになります。

仮に床ずれができてしまった場合は、まずは動物病院で感染の有無やダメージの程度を確認してもらって下さい。
壊死した部分はどんどんはがれ落ちてくるので、まずはそれを丁寧に取り除く事が必要です。
膿が大量に出ている場合を除いて、消毒は必要ありません。
人肌に温めた水道水や生理食塩水で洗い落とすのが基本になります。
傷口を乾燥させるとなかなか塞がらなくなるので、洗ったあとにドライヤーは使わないようにしましょう。
傷が浅い場合はワセリンをこまめに塗って乾燥を防ぎます。
ポケットといって、皮膚の下に大きな空洞ができている場合や、骨が露出している場合は、家庭での対応範囲を超えているので、動物病院での処置が必要です。
床ずれの治療には時間と根気が必要ですが、諦めることなく自宅でのケアを続けてあげて下さい。

しっぽの会

犬猫の殺処分ゼロを目指して、地道な活動をされているNPO、「しっぽの会」ご存知でしょうか?
当院では先日、フードや予防薬を寄付させて頂いたついでに、施設の見学にお邪魔しました。

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 長沼町ののどかな畑の中、大きな看板が目印です。

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奥の白い建物が犬舎です。
外の犬舎にも何頭かわんちゃんがいて、お出迎えしてくれます。

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こちらは猫舎。
家庭の雰囲気にもスムーズに移行できるよう、猫たちがリラックスできる工夫が随所に見られます。
人好きベタ馴れの子もたくさんいます♪

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「しっぽSHOP」ではしっぽの会オリジナルグッズも販売されています。
収益は会の運営に役立てられています。

ペットを迎える時に、「飼う=買う」以外の選択肢。
たくさんの動物たちが、新たなご縁を待っています。
少しでも興味を持たれた方は、ぜひこちらのHPをご覧下さい。
http://shippo.or.jp

わくわくお仕事体験

昨日開催の恵庭三四会まつり、「わくわくお仕事体験」に当院も出展してきました。

猛暑にもかかわらず、開始時間前から長蛇の列!!
どうぶつが大好きな子供たちがたくさん集まってくれました。
イコロの身体検査から始まり、レントゲンクイズ、顕微鏡コーナーと、どの子も興味津々。
中には将来獣医さんを目指している子もいて、ついつい熱が入る場面も。
参加してくれた50人の中から、未来の獣医さんが生まれたらいいなぁと、スタッフたちも夢見ています。

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診察時間の合間を縫っての参加だったため、受付時間がかなり短くなってしまい、もしかしたら参加できなかった子もいるかもしれません。
来年もきっとやるんで、また参加してね!

(あまりの慌ただしさに、会場の写真は1枚も撮れませんでした・・・)

そして夜は恵庭市民待望の花火大会!
10559826_460250177445953_2808567247728599957_n毎年こんな楽しいイベントを開催してくれている恵庭三四会の皆様、本当にお疲れ様でした!

ジュニアクラスのご報告

先週開催したジュニアクラスの様子です。

今回の参加犬は、パピークラス卒業生でサモエドのさもっち、シュナウザーのノンノちゃん、そして初参加のシュナウザーのベルくんです。
当日は天気もよく、みんなパワーに溢れていたこともあり、近くの公園でのお散歩レッスンがメインになりました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAまずはみんなで歩いて移動。
一緒に歩けることも、大事な体験です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAついついテンションがあがってしまう散歩中でも、しっかり落ち着いていられることが重要!
公園でのレッスンは、犬たちも気持ち良さそうでいいですね♪
OLYMPUS DIGITAL CAMERAしっかり体も動かして、発散したところで病院へ。
運動を挟むだけで、レッスンの雰囲気もがらりと変わりました。
仔犬でもないけど、まだまだ大人にもなりきれない元気盛りの3頭でしたが、それぞれに2時間でちょと成長して帰ってくれました♪

今後もパピークラス、ジュニアクラスは不定期に開催予定です。
参加ご希望の方はHPのお知らせ欄をチェックして下さい!